MOTHER2のエンディングのようなライブだった。
(ザ・グレイト・ラグタイムショーでも可)
鈴木慶一という人は音楽が本当に好きで、聴くのも聴かせるのも、演奏するのも歌うのも、また、同じように音楽が好きな人とコミュニケーションを取るのも大好きなのだと思う。
- Controversial Spark
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- In May (from Controversial Spark / Controversial Music Spark)
- In June (from Controversial Music Spark)
- Hello Mutants (from Section I)
- 鈴木慶一 with マージナル・タウン・クライヤーズ
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- 男は黙って…
- 無垢と莫連、チンケとお洒落
- 愛される事減ってきたんじゃない?ない
- Memories~Untitled Songs Part 1
(from Records and Memories(Apple Music))
- No Way Out (from EXITENTIALISM ~出口主義)
- Total Recall
- ちょっとツラインダ
(9,10 from EXITENTIALIST A GO GO ~ビートで行こう)
入院 ~休憩~
- 斉藤哲夫
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- されど私の人生 (from されど私の人生)
- ムーンライダーズ
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- 火の玉ボーイ (from 火の玉ボーイ)
- ヴィデオ・ボーイ (from MODERN MUSIC)
- スカーレットの誓い (from MANIA MANIERA)
- くれない埠頭 with PANTA (from 青空百景)
- BEATITUDE with 高橋幸宏 (from Bizarre Music For You)
- はちみつぱい
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- こうもりの飛ぶ頃 (from 9th June 1988 / THE WORST OF MOONRIDERS)
- センチメンタル通り
- 月夜のドライブ
- 塀の上で
- 煙草路地 (from セカンド・アルバム~イン・コンサート~ / ヘイト船長とラヴ航海士)
- ぼくの倖せ
(18,19,20,22 from センチメンタル通り)
- アンコール
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- エイトメロディーズ (from MOTHER(Apple Music))
- ダブルアンコール
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- Scum Party (When This Grateful War is Ended (from MOON OVER the ROSEBUD)の後半部分)
上記のセットリストは
- 鈴木慶一が先端を歩み続けられる理由とは?45周年ライブから考察 – レビュー : CINRA.NET
- 12月20日ライヴ、 鈴木慶一によるメモ付きのセットリストです。 ☆☆… – Keiichi Suzuki/鈴木慶一
を参考にさせて頂きました。
とにかくくゲストはたくさんいるし、何から始まるのか、どこへ着地するのかすら全くわからないままライブは始まった。
まずは一番若手のバンド、Controversial Spark。
私はこのバンドの音源を事前に一切聴いていないので、感想は差し控えたい。
続いて、最新の鈴木慶一ソロアルバム『Records and Memories』より3曲。このアルバムも初めて聴く。
続く「Memories~Untitled Songs Part 1」のラストではフィードバックノイズの嵐。「音楽を聴く」というよりも、全身で音の洪水を浴びる、という感じ。
マイ・ブラッディ・バレンタインのライブでは、客全員に耳栓を配る、という話を思い出した。
ここで私がに楽しみにしていたゲストの一人、高橋幸宏が登場。初めて生で見る幸宏さんとビートニクスにわくわくする。
MCは漫才コンビのようなトークをしつつ、1st『出口主義』より「No Way Out~出口無し」。
もともとカッチョ良い曲なのだけど、生はまた一味違う。アレンジも違う。迫力の違いは言うまでもない。そうか、これはこんなにかっこいい曲だったのか、と興奮する。
曲の間のMCは、まるで持ちネタを語る芸人のよう。
「この話、もう1,000回くらいしてるんだけど……」という前置きで、
T.E.N.T.レーベルも作ったんだし、もっと売れる歌を自分たちが作らなきゃ
↓
良い歌ができた!有名な車メーカーのCMのタイアップも決まった!
↓
「車のCMにこのタイトルは無いんじゃいの……」でボツ
↓
代わりにCMに使われたのが、坂本龍一の「Risky」(Apple Music)
↓
「リスキーな車もどうかと思うけど」
「まあ、全部リコールされちゃうよりはねえ」
2nd『EXISTENTIALIST A GO GO~ビートで行こう』より、↑のような曰くつきの「Total Recall」。
これはカラオケに入っている唯一のビートニクス曲でもある。
(豆知識:高橋幸宏さんはカラオケが嫌い)
幸宏さんの切なげなボーカルが好きだ。
例えばソロの「空気吸うだけ」や「愛はつよい~stronger than iron」、YMOでの「中国女(散開ver)」や「The city of light」など。
そこに慶一さんの声が絡まり合うと、もうたまらない。ビートニクスのアルバムの中では、この『ビートで行こう』の楽曲、特にメロディの美しさとポップさが群を抜いて素晴らしいと思う。
トドメに、同じく『ビートで行こう』より「ちょっとツラいんだ」。
ムーンライト、そして「胸にポッカリ穴が空いて、ちょっとツラいんだ」「こんな時昔の友達に会えたなら、嬉しい気分になれるかな」の歌詞。どうしたってかしぶちさんのことを思い出してしまう。
歌詞だけではない。幸宏さんの切なさを伴った声に、慶一さんのボーカルが絡む。サイモンとガーファンクルや、レノン&マッカートニーと例えたら言い過ぎだろうか。それくらい、この2人の声の相性は素晴らしい。
合いの手のように、間奏にトランペットの華やかな音が加わる。
たまらない。
トークで「来年あたり、またビートニクスやろうよ」という話をされていた。またこのお二人のユニゾンを、ぜひ生で聴きたい。
ビートニクスがはけて、開始一時間くらい。ここで早くも休憩に入る。客電が点く。早くも涙ぼろぼろになっている人がいる。私ですが。
なんかね、生で聴く『ビートで行こう』が心に沁みてね……
まだムーンライダーズもはちみつぱいも、そしてMOTHERの音楽を慶一さんと共同開発した田中宏和さんも出てきていないのに、ある程度満足してしまっていた。
ほんとにね、この日のライブはそれぐらい内容が濃かったんですよ。
その2に続く