2022年に見た映画の感想など書いていきますよ。
ジョン・コルトレーン:チェイシング・トレーン
名前通り、ジョン・コルトレーンのドキュメンタリー。
どういう話(生涯)だったか、というよりは、映画館の音響でコルトレーンの曲が聴けたというのが何より印象に残ります。
この映画の中で描かれていない部分は、中山康樹「マイルスvsコルトレーン」などを読むと、よりよく補完されます。
正直私も、フリージャズ期はよくわかんないんですよね。どのアルバム再生してるのかもあやふやになる。
やっぱり『マイ・フェイヴァリット・シングス』が好きですね。
ジギー・スターダスト
続けてデヴィッド・ボウイのドキュメンタリー…というか、ライブの映像化作品ですね。
良かったと思うのだが、なぜか一番記憶に残っているのが、ライブ開幕前のシーンで「時計じかけのオレンジ」の曲が使われていたところ。
去年公開されてた、デヴィッド・ボウイの曲が一曲も流れないデヴィッド・ボウイの伝記映画という斬新な作品(スターダスト)の中でも、「2001年~」っぽいシーンがあったりしましたね。
ザ・バットマン
何回リブートすんねんお前とは思いつつも、予告でNirvanaの「Something in the Way」が使われててかっこよかったので見に行きました。
ブルース・ウェインが、ティム・バートン版のマイケル・キートンより病んでる感が強くて、とてもよかったです。マスクつける時に目の周りを黒く塗ってるんですが、それがもう病人にしか見えないというね。一応は正義の側であるバットマンと犯人であるリドラーに共通項を提示してるのもいい(両者ともアナログでメモをつけてる、など)。
前半の捜査パートはデヴィッド・フィンチャーの「セブン」みたいな陰鬱な雰囲気と暗い画面でどっぷり浸れ、それでいて展開はめっちゃスピーディー。素敵。
ペンギンをカーチェイスで追っかけ回すシーンは低い打楽器がドコドコ鳴るのも相まって、最高に興奮しました。ひっくり返った視点でバットマンがバットモービルから降りてくるところとかね、こう「鬼が迫ってくる」という感じで実にいい。まあ、このカーチェイスがストーリー上重要かというと、そうでもないんですが。
3時間という長い上映時間とはいえ前半2時間くらいは見どころが多く、死ぬほど密度も濃く、まったく退屈するところがありません。
…まあ、そういう言い方をするということは、後半1時間はやや退屈だったからなんですが。具体的にはリドラーが捕まってからの展開は予定調和っぽさがかなりあります。演出も間延びしていきます。
最後の方で戦う相手(YouTubeで扇動された人ら)は、現代を舞台にする以上まあそうなるよね、とは思うんですが。2021年の議事堂襲撃だってまだ記憶に新しいわけでして。
(その人たちをゲームのアーカムシリーズのごとくバンバン吊るしていく様はちょっとおもしろかったですが)
ラストの、バイク2台で別れを表現するシーンはすごくいいですね。「リターンズ」のラストに匹敵するくらい良いと思います。
なんか長くなりそうな気がするので、いったんここで切ります。
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