鈴木慶一45周年ライブが素晴らしかった その2

その1からの続き

休憩後は斉藤哲夫氏登場。「今の君はピカピカに光って」(作詞:糸井重里 作曲:鈴木慶一)で知られている方ですね。このCMも大概古いですが。

このライブで演られた「されど私の人生」は、慶一さんにとって初のレコーディング曲だったのだそうで(パートはピアノ)
saredo
(とり・みき「犬家の人々」より)
この日も慶一さんはピアノを担当。さらに岡田徹(アコーディオン)、白井良明(エレキギター)という、ハーフムーンライダーズな編成。

ここで、お待ちかねのムーンライダーズ登場!(ドラムはControversial Sparkの矢部浩志氏)
渋みが増してものっそいカッチョ良い「火の玉ボーイ」、もはや定番曲の「ヴィデオ・ボーイ」と続いたところで、最高に嬉しいサプライズ。
くじらさん(武川雅寛さん)の電撃復帰!
流れるように「スカーレットの誓い」、もちろん立ち上がる観客(私もですが)。
2011年12月の大阪なんばハッチ、2014年12月の日本青年館、そして今回のメルパルク。
なんだか、事あるごとに腕振り上げてヤーヤーやってる気が致しますよ。

名曲「くれない埠頭」をPANTAが歌い、ラストの「BEATITUDE」はツインドラムとして、高橋幸宏さんが再登場。
なんという豪華なコラボ。

さらに時代を縦横無尽に駆け巡るように、はちみつぱい。ドラムは橿渕太久磨さん。
音合せのセッションから始まって、そのまま「こうもりの飛ぶ頃」。『Worst of Moonriders』では聴いていたものの、生で聴くのはもちろん初めて。めちゃめちゃカッチョ良いです。間奏というか、即興演奏的な部分も長め。
続く曲は「煙草路地」を除き、すべてアルバム『センチメンタル通り』に収録されているもの。あらためて、名盤だと思います。今聴いてもまったく古びてない。

月夜のドライブ」、ムーンライト・ドライブという歌詞でイエモンの方(←音が出ます)を思い出してしまう。吉井さんはあがた森魚さんの影響をかなり受けているようなので、はちみつぱいも……うーん、それはどうだろう。
名曲「塀の上で」は、エレキギターに機材トラブルがあった模様。エフェクターの電池切れか断線かなーなどと勝手に妄想。そっちに気を取られていたら、歌が終わってしまった……
煙草路地」は『セカンド・アルバム・イン・コンサート』に入ってる曲(らしい。このアルバム、聴いたことはおろか見かけたことすら無い)。私は慶一さんのソロアルバム『ヘイト船長とラヴ航海士』に再録された方を聴いています。後の「スカンピン」に繋がる歌。

ぼくの倖せ」は作られてから何十年も経って、それでも(だからこそ)心に沁みる曲と歌詞。

全曲終わったところで「写真撮ってもいいよー」と慶一さん。「めったに集まんないんだから」
……こういう時、起動時間のかからないカメラが本当に欲しいと思う。iPhoneは当然電源切ってるし、ああーとか思っている内にメンバー全員ステージからはけてしまった。ああああー。
で、今これ書いてて、バッグの中に写ルンですを常備していることを思い出しました。思い出すのが3週間遅い。
写真が多めの記事にリンクを張ってお茶を濁そう。
鈴木慶一が先端を歩み続けられる理由とは?45周年ライブから考察 – レビュー : CINRA.NET

話を3週間戻しまして。
ステージからメンバー全員はけて、一応終わりましたよという体になるんですが、ご冗談を~という感じでアンコール要求の拍手。
ステージ上ではモノを片すどころか、明らかにマイクを増やしているなど、ステージのあっちとこっちで共犯関係にあるような、妙な感覚。

アンコールにはMOTHERの音楽を慶一さんと共同制作した田中宏和さん、およびオールスターキャスト(この日出てきた人たぶん全員)。
慶一さんの「客席にケラ発見!」の声で、ケラリーノ・サンドロヴィッチ参戦。
曲はもちろんMOTHERのテーマ曲「Eight Melodies
イントロ部分はファミコン音源で再生されるというイキな計らい。矩形波たん萌え。
観客も一緒に歌おう!と呼びかけられ、席から立ちはするものの、感極まり、胸が詰まり、知らず知らずのうちに涙が流れ、声にならない。
(英語の歌詞を覚えていない、というのもあるが)
こちらの記事にもリンクを張っておこう。
語り継がれる名作『MOTHER』からの25年 鈴木慶一×田中宏和 – インタビュー : CINRA.NET

賛美歌をテーマに作曲・作詞され、ファミコンの音源で構築され、マイケル・ナイマンのアレンジで少年合唱団に歌われたメロディが、「We are the world」に化ける瞬間を確かに私は見て、聴いた。

もう、コレもんですよ。

2015/12/20というこの日が私の最後の日であっても構わない。そんなことを考えた。

幕が閉まり、どー考えてもこれで終わりだろう、と思っていた人(私だ)は案外少なかったようで、ここでまたアンコールを望む拍手。いやいや、あのグランド・フィナーレの後に何を付け足せと。
そしてまさかのダブルアンコール。
武川さん(ハーモニカ)と慶一さん(アコギ)による、ミニマムムーンライダーズでの再登場。こうきたか。
ステージの真ん中で二人、あぐら座り。
武川「入院中、一ヶ月くらい意識がなかったので、たくさん夢を見ました。その時に見た夢を、何かの形でみなさんにも見せられたらと思います」
くじらさん、2度目の帰還おめでとうございます。本当に良かった。

……あ、慶一さんは45周年おめでとうございます(←ついでみたいに言うな)

以下、関連のおすすめなど。

故・今 敏監督作。劇伴は鈴木慶一。エンディング「No.9」はムーンライダーズ

文句なしの名サントラ。Apple Musicでも聴けます

鈴木慶一1stソロアルバム(1991)。実は名曲揃い

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