人類の黄昏の時代?「けものフレンズ」の世界

ここで言う「黄昏の時代」は、ポストアポカリプスよりもうちょっと広い意味で、人類が今現在より衰退している、的な意味です。
タイトルそのまんまな「人類は衰退しました」や、「ヨコハマ買い出し紀行」、「結城友奈は勇者である」シリーズなど、あと実写映画の「マトリックス」も入るかな。あーいう感じの作品を念頭に置いといてもらえるとありがたいです。

さて、けものフレンズです。
1話見た時には、アーケード時代のアイマスを思い出すような、ローポリでfpsの低いトゥーンレンダリングのもっさりした動き、リップシンクしてない声と映像、サーバルの中の人のまったいらな声でノックアウトされて、そのまま2話以降を見ない可能性が高かったのですが、ついったーでフォローしてる方が何人かどハマりしているのと、「ほのぼのしている中にある不穏な空気」が気になって、結局4話までdTVでイッキ見。その後5話まで視聴しています。
動きとか声とかには、なんというか、慣れるものですね。
あと、実は曲がけっこう良い。戦闘シーンがトランステクノっぽかったり、家建てるシーンはビフォーアフターっぽかったり。

不穏な空気っぷりは実際にアニメを見ていただくとして、ここでは「けものフレンズ」の世界がどうやって成り立ったか妄想してみることにします。

この世界のどこかにつくられた
超巨大総合動物園「ジャパリパーク」。
そこでは神秘の物質「サンドスター」の力で、
動物たちが次々とヒトの姿をした
「アニマルガール」へと変身――!
訪れた人々と賑やかに楽しむようになりました。

オフィシャルサイトにある通り、ジャパリパークは、最初はちょっと変わったただの動物園だったのだろう。
(元々のサンドスターはAR技術的なものではないかな。動物に端末をかざすと擬人化されたキャラクターが登場する、みたいな)

しかし、時は流れ……。

時は流れてどうなったのか?

以下、勝手な予想。
ジャパリパークはレッドリスト登録済みの動物のアーカイブスになっていったのではなかろうか。この場合の「アーカイブス」は、動物を物理的にオリに入れて飼育するのではなく(なにしろ絶滅危惧種ですから)、デジタル化してデータを閲覧できる、程度の意味。女神転生シリーズをプレイしている人は悪魔全書を想像してもらうといいかもしれない。

おそらくは手動ではなくコンピュータによる自動登録。
悪魔召喚……もとい、絶滅危惧種登録・召喚プログラム「サンドスター」の誕生である。
(もっとも、「神秘の物質」である上に、3話でボスが「サンドスターによって温度・湿度・日差しまでもが変化してるんだ」「サンドスターには謎が多く、僕らもまだ分からない事だらけだよ」と言ってる通り、人類以外の技術が使われている)
(さらに考えると、この場合の「僕ら」が人類を指すのか、ボスを始めとしたコンピュータによる分析の事を指すのかも分からない)

その過程で実際に発見されたのか、新聞や書籍(東スポとかムーとか)なども登録対象にしたのか、ツチノコなどのUMA(未確認生物)も登録されてしまった。
後述するようにツチノコと他のフレンズとでは知識にだいぶ差があるので、フレンズ化される過程も違う気もしますが。

そんなこんなで、良くも悪くもアーカイブスは充実していくのだが、予想外の事態が起こる。
人間が絶滅危惧種になってしまったのだ。
というわけで、人間がサンプリングされてサンドスター経由でパークに登録。それがかばんちゃん。
なお『「アニマルガール」へと変身――!』なのでかばんちゃんは女の子ですし、他のキャラもすべて女の子なので百合スキーは歓喜して良い(特に5話のプレーリードッグ登場のあたりなど)が、なにしろすべてが異種間であるし、変身前がおっさんである可能性も否定できないため、若干難易度は高い

というかこの世界、一種族が一人しかいないし、種族名がそのまま個体名。
繁殖目的だったり、ノアの箱舟的なものを作ることにはならない。

【かばんちゃん】
百合とかおっさんはともかくとして、他の動物はそれぞれの動物が元々いたところに配置されているようなのだが、かばんちゃんはなぜ「さばんなちほー」に配置されたのか。
紙飛行機を作り、飛ばす。ロープと木材で橋を作る(計画を立てられる)。草を抜いて看板のマークを作る。非常口のピクトグラムを認識する。フレンズそれぞれの特性を活かしたチーム作りができる。
……のだが、バスや電池などの技術を知らないようにも見える。
文明衰退後の人間だったり、まだ高水準の技術を学ぶ前の子供だったり、下手をすれば「人類では無い」という可能性すらあるのではなかろうか。ものすごい賢いサルとか。
その場合、最終回のラストシーンには自由の女神が

【セルリアン】
敵対するセルリアンがどういう存在であるかはまだ解釈できないが、名前としては絶滅危惧種=レッドデータアニマルとセルリアンブルーの対比ではないかと思う。実際青いし。
……と思ったが、4話のセルリアンは赤い。単に強弱で色が違うのかもしれないし、4話のセルリアンは別の名前がついているのかもしれない。セルリアンベスとか。
サンドスター同様に、既存の(現実世界にいる)存在ではないのだろう。

【ラッキービースト(ボス)】
かばんちゃん、レッドリストアニマル、絶滅済み動物、UMAによって異なるラッキービースト(ボス)の認識
・かばんちゃん……ボスの存在は知らない。会話が可能
・サーバルなど……存在は知っている。話しかけられることは無い。かばんちゃん相手に話しかけるボスの姿を見て驚く。二人称は「ボス」
・トキ……そもそも存在を知らない
・ツチノコ……サーバルたちより詳しく知っている。が、やはりしゃべる事は知らなかったようで、驚く。二人称は「ラッキービースト」
※後から気付いたんだけど、トキは絶滅してないですね

コミュニケーションが取れていないにもかかわらず、サーバルたちフレンズにボス扱いされているのはなぜなんだろう。

元々はパーク案内用の端末だったと思われる。
古いカーナビのように更新がなされておらず、提案した移動手段(橋・ロープウェイ)が閉ざされているとフリーズしたり、すでに遺跡化したアトラクション(地下迷宮)の紹介を始めたりする。
発狂して「2001年宇宙の旅」のHALみたいにならないか心配。

普段(道案内や動物の紹介)は、いわゆる「ゆっくりボイス」(SofTalk)のようなしゃべり方だが、かばんちゃんの帽子の羽根を認識した時(2話)、アトラクションを認識した時(4話)には女性アナウンスのような人間らしい声になる。(この際、目が緑色に点灯する)
普段はリアルタイム合成音声で、定型文は録音された声を再生していると思われる。
また、4話の地下迷宮のアトラクション紹介の際には「動物やフレンズと一緒に(略)」と話している。少なくともアトラクション製作時のパーク内には、フレンズ化された動物だけではなく、そのままの動物もいる(いた)のだろう。
EDでのクレジット表記(声優名)は「????」。

【ツチノコ】
他のキャラより多くのことを知っている。ジャパリコインや「例の異変」など。
サーバルたちは他のキャラを「フレンズ」と呼ぶが、ツチノコのみ「動物」と呼ぶ。
「(ボスが)私にはしゃべってくれないんだよ」というサーバルに対して「それが普通だ」と返す。
一方、かばんちゃんに「お前、もしかして……」「あいつ、絶滅していなかったのか」と意味深な事を言っている。

【謎】
・1話からキーワードとなっている「図書館」(アルパカやツチノコなど、利用者は結構いるようだ)
・3話でアルパカの言う「博士」
・4話でツチノコの言う「例の異変」
・アライさんたちがかばんちゃんを追う理由
1話「パークの危機」
4話(かばんちゃんという名前は当然知らないが)橋を作ったことについて「命の恩人」と述べるなど、追っている相手が何者なのか分かっていない様子
5話「お宝が呼んでいる」

【おまけ】
1話(と3話)に登場するカバの声優さん、やけに上品な口調が上手だなーと思ってたらこれがまさかの照井春佳さん(=結城友奈)だったという!これは驚いた。全っ然気づかなかった。ぱるにゃすすげえ!

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