「僕は友達が少ない」実写映画版を見てきた

この文章には実写映画版「僕は友達が少ない」、ならびにラノベ版・アニメ版「僕は友達が少ない」のネタバレを含むと思います。多分。
普段もそうですが、予想以上にまとまりのない文章になっています。あしからず。

haganai_movie

まず最初に書いておきたいのは、この文章は実写映画「僕は友達が少ない」(長いので次から「映画版」と書く)を貶すための文章ではないです。
批評でも分析でもなく、ただの「感想」。俺は映画版を見てこう思ったよ、というだけの文章です。

おそらくこの映画版は「デビルマン」「逆境ナイン」「ときめきメモリアル」などといった実写化済みの映画と比較されることになるのだろう。
デビルマン並に金をどこにかけてるのか(あるいは元々の予算がどれだけ少なかったのか)良く分からないし、逆境ナイン並みの残念さ(これはラノベ・アニメ版はがないのキャッチコピー的に使われている「残念」ではなく、元の方の意味だ)を持ち合わせているし、ときめきメモリアル並に「この原作である必要性があったのか?」と製作者に問いかけたくもなる。
しかしこう、ただ「駄作だったね、残念だったね」で終わらない異様さがこの映画にはある。

確かにアレな部分は多い。
キャスティングがどうのという以前に、マリアと小鳩はそもそも存在する必要がないんじゃないか?
いくらなんでも柏崎父とステラは変わりすぎじゃねえ?
幸村、メイド姿のままで警察行ったの?てか、メイド姿で帰宅しようとしたの?性別は結局どっちなの?
栗原類の生徒会長、誰こいつ?
などなど、大小合わせてツッコミを入れたい部分は山ほどある。
人によっては「はがないはこんな話じゃない!」と激怒すると思う。

が、監督(脚本書いたのも同じ人だ)はラノベ版を全巻読んで、理解した上でこの脚本を書いていると思われる。
なにしろ映画版のストーリーが、
ラノベ版4巻で明かされる「小鷹と夜空が昔友達だった」を全体のベースにして、
理科の作った「ロマンシング佐賀」と偽タイムマシンを混ぜたものをメインディッシュに添え、
8巻での廃部騒動をサブのおかずにして、
そこまで用意した上で、ラノベ版にあったファンタジー要素を丹念に丹念に取り払った、という物ですので。
「幸村が本当にいじめを受けていたとしたら?」
「星奈の父親が学校の大物などではなく、権力と金を持っただけの小物のクズだったとしたら?」
ラノベ版では出てこない夜空の寂しい食事風景や、小鷹が具体的にどのような嫌な目にあっているか、などなど。
理科はラノベ通りに天才キャラではあるが(そうじゃなかったらこのストーリー、成立しない)、その分変態っぷりも上がっている。
劇場で唯一笑いが起こっていたのが、その理科の変態行為のシーンだったのが何とも言えないが……

邦画でコミックが実写映画化されて面白かった、というものに出会ったことがない気がする。
「デトロイト・メタル・シティ」は面白いらしいが俺は見てない。
「デス・ノート」2作品+αはヒットしたが、俺は好きじゃない。
で、大概の実写映画化で外したやつって「まあ、こんなもんだろう」で作って、ファンに「オマエ分かってねえよなめてんのか!」って怒られる物なんだけど、はがない映画版の場合、監督、根っこの方まで読み込みすぎたんじゃないかと思う。
読み込んだ上で独自解釈した上で映画作ったらこうなっちゃった、という。
映画の出来自体もまあ褒められた物ではない(何を表現したかったかと、それが実際どう表現されているかは別の話)んだけど、この映画に漂う「異様さ」ってそうとでも考えないととても納得出来ない。

ラノベ版・アニメ版が好きな人にこの映画どうですかって聞かれたら、まあ、あまり熱心にオススメはしない(汗
たぶんそこを聞いてから判断する人は最初から見に行かない方がいいと思う。
それと、あまり友人と一緒に見に行くタイプの映画でもない。実際、俺は一人で見に行ったし、一人で見るのに向いてるタイプの映画だと思う。
で、一人で見て何を思ったかっていうのをブログなりTwitterなりで感想書いてる人がいたら、俺はその感想を読みたいと思います。

以下はてきとうに書きたらします。

この映画、俺が知っている物の中で何に一番近いだろう。旧劇場版エヴァ?マトリックス?と考えて、最終的にたどりついたのがPS2のゲーム「サイレントヒル2」だった。
中盤からの展開はSFの域を超えて、完全にホラー。もしくはアングラ演劇か何か。

前半が特にそうなのだが、この映画、映像がエロい。
ラノベ版の夜空や理科のセリフとか、ブリキ氏のイラストが元々エロいから踏襲しているとも取れるんだけど、よくこれPG12で通ったなあ。
そして、監督がフェチなのか、太ももと尻の強調されっぷりがすごい。嬉しいけど。

細かい部分が無駄に凝ってる。
部室追い出される際の小鷹の荷物の中にちゃんと「三国志」があったりね。
ラストで理科が読む、夜空の作ったポスターのもう一つの意味には気づかなかった。あれが平坂読氏の意図しているものなのか、監督の独自解釈かどうかは分からないが。

一番気になる部分は実はここなのだが、豊郷小学校のよりにもよって「あの階段」に続く「あの部屋」が舞台というか、部室である意味とは。
パンフレットには大人気アニメ「けいおん!」のキャラたちが通う校舎のモデルとなったことでも知られとしか書いてない。
ご丁寧にもこの映画のオープニングテーマの演奏は聖クロニカ軽音部である。何だ、何の嫌がらせだ(考えすぎ
出てきた楽器はバタースコッチブロンドのテレキャスター(黒ピックガード)と、レッドのテレキャスター・シンライン(ヘッド落ちしている)、レッドのプレシジョンベースであり、見事にけいおん!とかすりもしない。

パンフレット、黄色とピンクと水色がふんだんに使われていて、読むと目が疲れる。

コメントを残す