ムーンライダーズを聴きましょう

ムーンライダーズを聴いてみようと思うのですが、CDショップやAmazonなどを見ると種類がたくさんあり過ぎて、どれから聴いていいのか分からなくなってしまいます。

……というお便りなど頂戴していないのですが、多くの作品を残しているミュージシャン(例えばジェフ・ベックフランク・ザッパマイルス・デイビスなど)を聴き始めようとした時に、どれから聴いていいか分からない、というのは私自身よく感じることです。
じゃあ、自分が大好きなバンドの水先案内人くらいはやってみようかな、などと思った次第でして。

これが、例えばoasisやYMO、Devoなら話が早いのです。
oasis:2ndの『(What’s The Story) Morning Glory?
YMO:1st『イエロー・マジック・オーケストラ』か『Solid State Survivor』のどちらか
Devo:1st『Q: Are We Not Men? We Are Devo』一択

バンド名=曲名であるかのような、ある意味ベタとも言える代表曲があればいいんですが。
たとえば、THE YELLOW MONKEYの「JAM」や「SPARK」

Bump of Chickenなら「天体観測」「カルマ」

YMOなら「雷電(らいでぃーん)」や「TECHNOPOLIS」

……のような。
このあたりに位置する曲がムーンライダーズには存在しません。

それならまあ、とりあえずこのアルバム聴いとくと良いよって、3枚のアルバムを紹介したいと思います。

『Don’t Trust Over Thirty』
ムーンライダーズの数多い曲の中でも一二を争うポップな曲「9月の海はクラゲの海」。シンプルながらも、いや、シンプルだからこそ、いつの時代になっても古くならない歌詞。(けいおん!とのクロスオーバーな絵を描かれている方も)
「ああ、なるほど、ムーンライダーズってこういうバンドなのな」と思わせたところで、ムーンライダーズ1のド変化球「超C調」(すーぱーしー)が来ます。「これは歌なの!?なんなの!?」と頭が混乱するのを楽しんで頂きたい。
畳み掛けるようにスーダラチックなヤケクソ歌詞の裏名曲「だるい人」。ここらへんで「このバンド、何でもありなのか」と感じて頂けるかと思います。(この曲でアイマスMADを作っている方も→【ニコニコ動画】アイドルマスター「だるい人」MOONRIDERS
「A Frozen Girl, A Boy in Love」は名曲。名曲としか言い様がないほどの名曲。甘酸っぱい歌詞とメロディ、少ない音数の演奏、ボーカル、コーラス、すべてが噛み合っていて美しい。
ラストを飾る「何だ?この、ユーウツは!!」はイントロとラストの繊細さと、中盤の盛り上がりの振り幅が大きいダイナミックな曲。途中で入ってくるドラムとギターがものすごいカッチョ良い。

『最後の晩餐』
先ほど「ムーンライダーズに代表曲は無い」と書きましたが、強いて挙げるならば「Who’s gonna die first?」を選ぶ、という人がファンの内20~30%くらいいるのではないかと思います。(独断と偏見)
とにかく力強いロックロックしたロック曲。ベースがすごくカッチョ良い。ボーカルは暴れに暴れ、叫びとか雄叫びとかそういうものを超えて、脳から何か出てる感じがします。
続く「涙は悲しさだけで、出来てるんじゃない」は一転して静かな優しい曲。一曲通してストリングスアレンジがすごくイイ。
「Come sta, Tokyo?」「ガラスの虹」はアルバムを何回も聴いている内にじわじわと良くなってくるタイプの、隠れた名曲。
「プラトーの日々」個人的思い入れ補正分を差っ引いたとしても、緊張感の張り詰めた本当にカッコ良い曲。イントロのストリングスはもちろん、間奏のバイオリン、エフェクトのかかった抑えめのボーカル。最高です。
ふとした時に唐突に聴きたくなることが多い「10時間」。どの楽器のどこがどう良いのか説明不能なんですが、雰囲気なのか、なんかですね、定期的に聴きたくなるんですこの曲。
メンバー紹介のような「Who’s gonna cry?」、アルバムを締める「Christ, Who’s gonna die and cry?」の存在もあって、「この曲が」と言うより、アルバムをフルで聴きたく事が多いのも『最後の晩餐』の特徴と言えましょう。

これは俺の願望込みですが、ムーンライダーズのファンで『Don’t trust over thirty』『最後の晩餐』が2枚とも好きじゃない、という人は恐らくいません。
Amazonで試聴もできるので、ぜひ気軽に聴いてみてほしいと思います。

最後の一枚はライブアルバム。
オフィシャルサイトの通販限定ですし、試聴もデジタル配信もないので、ちょっと敷居が高いかも。

moonriders LIVE at SHIBUYA AX 2009.4.21(上から三番目の2,500円のやつ)

演奏自体が割と最近のもの(2009年)なので、70年代~80年代初期のさすがにちょっと古い感じのする曲も、良い感じにアレンジされています。
演奏は時にパワフル、時にフォークソングの弾き語り的に。変幻自在のムーンライダーズはライブバンドでもあるのだ、と再認識させてもらえるアルバムです。


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