「シン・ゴジラ」気づいたところ追記用

前のエントリが長くなってきたので、細かいネタとかオマージュとかで気づいたところはこちらに書くことにします。
シン・ゴジラはもちろん、過去のゴジラシリーズ、平成ガメラシリーズなどのネタバレも含みますのでご注意を。

4Kデジタル復元(リマスタリングとどう違うのかは不明)版平成ガメラ。LD-BOXに付いてた映像特典なども収録してる。欲しい。

結局買ったサントラ。「Who will know」が最高。

音楽関連

ゴジラ第三形態に変形時のBGM
「ゴジラ上陸」ゴジラ(1954)より

後述しますが、この「ゴジラ上陸」と「ゴジラの猛威」がもともとの『ゴジラのテーマ』でした。
この曲が流れることによって、カンの良い(初代からゴジラを見てる)人に「あ、やっぱこいつゴジラだったんだ!」と分かる仕掛け。
ゴジラ再上陸時のBGM
「ゴジラ復活す」キングコング対ゴジラ(1962)より
いわゆる『ゴジラのテーマのイントロ』部分だが、次回作モスラ対ゴジラ(1963)での「ゴジラと名古屋」以降、音程が微妙に違う。
SF交響ファンタジー第1番 第1曲「ゴジラの動機」ではもちろん後者が使用されている。
「以前の倍はある。第四形態だ」時のBGM
「ゴジラ復活」メカゴジラの逆襲(1975)より
よく言われる『ゴジラのテーマ』(ドシラ、ドシラで始まるアレ)なのだが、この曲をゴジラを表す曲として使用するようになったのは、この「メカゴジラの逆襲」から。
(初代ゴジラ(1954)の「メインタイトル」は『ゴジラに立ち向かう人間のテーマ』として作曲されていた)

「ゴジラvsビオランテ」(1989)以降は毎回のように『ゴジラのテーマ』として使われることになる。

タバ作戦準備時のBGM
「Black Angels (Feb_10_1211) / 作戦準備」(新曲)
イントロ部分がどことなく84ゴジラの「スーパーXのテーマ」のイントロと似ている。
ヤシオリ作戦のBGM
「宇宙大戦争マーチ」宇宙大戦争(1959)より

音が外れようがなんだろうが、とにかく勢いで押し切る宇宙大戦争マーチ、たまらん。「この曲使うかー!」という感じで、映画見ながらニヤニヤしてました。

この曲の長さについて先生は「こんなにテンポの早い曲を5分も演奏して頂くのは人道上問題がありますので(笑)、別々に録音しておいたものをテープ編集して作ったのではないでしょうか。」とおっしゃっていた。

「空想科学音楽大進撃~OSTINATO~」ライナーノーツ(井上誠)より引用

この映画で伊福部昭の曲を流用したものはすべてモノラルで鳴っていた(と思う)ので、マスタリングとか録り直しとかせずに、それぞれの元の映画用の原曲をそのまま使用しているんじゃないかと。(「ゴジラvsメカゴジラ」はもともとステレオだったので除く)

(原曲の荒々しさが良いので、上記の「空想科学音楽大進撃~OSTINATO~」(全曲1986年に新録されたもの)はキレイ過ぎて、正直ちょっと物足りない)

スタッフロール用BGM
この映画はゴジラの足音・咆哮に始まり、本編後のスタッフロールは初代ゴジラのメインタイトルの曲から。
つまり、シン・ゴジラ本編は初代ゴジラのオープニングに挟まれている、という事になります。

補足しとくと、昔の映画はオープニングにスタッフロールがあって、ラストはあっさりと「終」とか「THE END」だけ出して終わるものが多かったのです。
(このおかげもあって、黒澤明「天国と地獄」の最後などはものすごく印象的)

庵野監督自身の作品だと、旧劇場版のエヴァ『Air/まごころを、君に』は途中にスタッフロールを入れて、ラストまで誰も席を立てないようにしてましたね。
で、突き放すようなあの終わり方。
そのせいで今回のシン・ゴジラは、スタッフロールの最後に「終」の文字を見るまで安心できませんでしたよ……

「メインタイトル」ゴジラ(1954)より


「メインタイトル」三大怪獣 地球最大の決戦(1964)より

「ラドンのテーマ」が合間合間に入ってくるところが印象的な曲

「怪獣大戦争マーチ」怪獣大戦争(1965)より


「メカゴジラ出撃準備」ゴジラvsメカゴジラ(1993)より

エンドロール中でこの曲のみステレオになるので、一気に広がりが感じられる

オマージュとか色々

東宝マーク
2016年現在の東宝マーク(下の「東宝株式会社」が変形ゴシック)→90年代ぐらいの東宝マーク(明朝)→青バックに「東宝映画作品」(平成VSシリーズで使用されていたもの)
最初に海上で発見されるプレジャーボート
名前はGLORY-Maru。初代ゴジラで最初に襲われる貨物船「栄光丸」の英訳。
後に判明する持ち主は「牧吾郎」。これはゴジラ(1984)でのヨットの持ち主の名前(ほぼ主役)。
84ゴジラでは牧が難破船を発見するところから話が始まるが、シン・ゴジラでは牧が残した資料がゴジラ対策の鍵になる。
大河内総理大臣
「ゴジラvsビオランテ」(1989)に同姓の人物がいる(大河内財団の総帥と、その娘)
大河内総帥はゴジラ細胞を利用して、逆に核を無力化するプロジェクト(抗核エネルギーバクテリア)を進めている。

「私は宝の持ちぐされというのは大嫌いだ。原爆とゴジラにひどい目に遭わされた日本が、ゴジラ細胞から核を超える兵器を作っても、決して悪いとは思わんがね」

ゴジラ第二形態
この異様に不気味な怪獣なんなの?ゴジラなの?ゴジラじゃなくて敵怪獣なの?と思わせるあたりは、

  • 「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」(2001)で、バラゴンをゴジラと見間違えるシーン「ゴジラは赤くねえ!」
  • 「GODZILLA」(2014)の、ゴジラと思わせといて実はムートーでした

このへんを踏まえての演出かと思う。

ゴジラ第n形態
過去のゴジラ映画で形態が変化する怪獣は「ゴジラ対ヘドラ」(1971)のヘドラと、「ゴジラvsデストロイア」(1995)のデストロイアが挙げられる。
モスラ/バトラは子と親(と繭)くらいなので除外。
巨災対
「奇人変人はぐれ物の集団」である巨災対の人々は、「性格に問題はあるが、腕は間違いなく一流」な機動戦艦ナデシコのクルーを思わせる。
アメリカにほとんど持ってかれちゃうゴジラのサンプル
「ゴジラvsビオランテ」(1989)の冒頭(時系列的には84ゴジラの直後)でバイオメジャーとサラジアのエージェントに持ってかれるG細胞。
完全生物
「ガメラ 大怪獣空中決戦」(1995)の中で、ギャオスが完全生物とされている。
ギャオスの染色体は「無駄のない完全無欠の1対」のみ(人間が23対、鶏で39対、アマガエルで12対)。「ギャオスは進化の帰結としてではなく、最初からあの形で完成されていたとしか思えない」というセリフがある。
(「ガメラ3 邪神覚醒」(1999)ではイリスに変異しますが)
また、単為生殖で増え続けるとも。

対して、今回のゴジラは遺伝子の情報が人間の8倍。単体で進化、増殖する。

ゴジラのビーム
B-2ステルス爆撃機を狙い撃つシーンでは「大怪獣総攻撃」を思い出すし、ビルが切り裂かれるシーンではギャオスの超音波メスを思い出すし(怪獣脳)

特に、真上にビームを放つところは「ガメラ 大怪獣空中決戦」(1995)のラスト、死に際のギャオスが真上に超音波メスを放つシーンが思い出されます。

「GODZILLA」(2014)では逆に、ムートーの口の中に上から下に貫くように放射してました。

背ビレオールレンジレーザー
「ゴジラvsビオランテ」や「ゴジラvsメカゴジラ」の全身発光の発展形?
もしくは「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」(2001)のラストで傷口から放射火炎が漏れ、自壊するゴジラなど。

また、シン・ゴジラの監督・特技監督の樋口真嗣は、「大怪獣総攻撃」の同時上映作品「劇場版 とっとこハム太郎 ハムハムランド大冒険」でCG監督をしている(ヒグチしんじ名義)。

眠りにつくゴジラ
「ゴジラvsデストロイア」(1995)で、スーパーX3による冷凍兵器で凍結されるゴジラ。
あるいは、「ゴジラ×メカゴジラ」(2002)で、暴走後にバッテリー切れで停止する機龍。
カヨコ・アン・パタースン
この人の話す胡散臭い日本語英語を聞いて、「発狂する唇」(2000)のルーシー(栗林知美)と成本(阿部寛)を思い出すのは私だけでいい。
発狂する唇1 発狂する唇2
……こんな感じなので、たいていの方は見なくて良いタイプの映画だと思います。

それはそうと、庵野秀明の実写初監督映画「ラブ&ポップ」(1998)には、「発狂する唇」の三輪ひとみ/明日美姉妹が出演しているらしい(未見)。

360万人の避難
日本沈没っぽい。どちらかというと樋口真嗣監督作の2006年版じゃなくて、丹波哲郎が首相やってる1973年版の方。
輸送ヘリでの避難
「ガメラ2 レギオン襲来」(1996)の避難シーンに構図が類似。ヘリも同様のチヌークと思われる。
ガメラ2避難シーン
ゴジラ拡散・飛翔の可能性
「ガメラ2」のレギオンや、「GODZILLA」(1998)を思わせる。
また、「世界を救うため(に、一都市を犠牲にする)」という意味で、核攻撃選択の説得力は(一応)ある。
核攻撃
ゴジラ(1984)にも核攻撃か他の手段か、という決断を迫られるシーンがある。
84ゴジラでは米ソに対して「あなた方は首都ワシントンやモスクワでためらわずに核兵器を使える勇気がありますか」と説得するが、シン・ゴジラでは「ニューヨークでも同様の手段を取る」と言い切られている。

核攻撃(リアルに存在し、現実味のある手段)と、ヤシオリ作戦(虚構であり、実現性の低い手段)との対比、という意味もあり、ここで映画は一気に虚構方面に「好きにする」。

「祖母を不幸にした原爆を、この国に3度も落とす行為」
樋口真嗣監督作の「ローレライ」(2005)は、まさにその三発目の原爆投下を阻止するという映画。
牧が残した資料の展開
「コンタクト」(1997)での地球外生命体からのメッセージの展開方法と似ている。
和光の時計台
初代ゴジラには耳が付いていたので、時計が鳴った時に壊されました。
今回のゴジラには耳がありませんが、遠隔攻撃が飛び火してやられてましたね。
無人新幹線・在来線爆弾
ゴジラやギャオスによく襲われる鉄道を武器にした意趣返しか。
この「シン・ゴジラ」の中でも京急がやられてますし。
ゴジラの血液を凝固させる薬品
ゴジラvsスペースゴジラ(1994)に同様の兵器が登場。シン・ゴジラにも出演している柄本明氏演じる結城晃が所持している。
また、ゴジラvsビオランテ(1989)の抗核エネルギーバクテリア(ANB)弾も近い特徴を持つ。
上記の薬品を経口投与

「薬は注射より飲むのに限るぜ!ゴジラさん!」

尻尾からビームを出すゴジラ
力が弱まって背ビレビームを出せなくなったゴジラは、代わりに尻尾からビームを放射するようになる。口(頭)からの放射はそのまま。
ゴジラの本体は胴体を除いた頭から尻尾の部分なのか?(第一形態では尻尾しか確認できていない)

「尾」と「頭」、尾頭ヒロミ?

ゴジラが再度動き出した時点で核攻撃へのカウントダウンは再開される
ウォッチメン」などでもおなじみの「終末時計」と方向性が似ている気がする。

話はそれるけど、アメコミのウォッチメンはものすごく面白い。ものすごく面白いけど、話が重くてかなり憂鬱になる。物理的にも重い。鈍器。

ラストシーンのゴジラの尻尾
「他人を蹴落として『俺が俺が』とよじ登る人間」の骨に見えた。

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