看板に偽り無し「シン・ゴジラ」

しばらく触れてなかった庵野作品に慣れておこうと思い、Amazonのプライムビデオでテレビ版エヴァンゲリオン全26話を見返して、心底不安になっていたのですが、「シン・ゴジラ」、すごく良かったです。
1984年のゴジラやハリウッド版の2作品はもちろん、ある意味1954年の初代「ゴジラ」よりも原点に帰っている気すらします。

以下、諸々のネタバレにまみれると思いますので折りたたみます。
そしてアフィリエイトのシールドも展開するのです。

サントラ欲しい→買った

過去最高に好きなゴジラ映画だったが、今回更新されるかもしれない映画

過去最高に怖いゴジラ映画だったが、今回更新されるかもしれないゴジラ

過去最高に出来が良いハリウッド版GODZILLA(更新されません)

「ニッポン対ゴジラ」というのがシン・ゴジラのコピーだったのですが、この映画を表す上でこれ以上は考えられない名コピーといえるでしょう。

メカゴジラやスーパーXといった超兵器、出ません。
フルメタルミサイル(ゴジラ2000)のような実現可能なようで存在しない兵器、出ません。
アンギラス、モスラ、キングギドラといった敵怪獣、出ません。
1984年のゴジラや2014年のGODZILLAのように過去に大怪獣が存在した、という世界線ではありません。
初代ゴジラにすら存在した、オキシジェン・デストロイヤーというゴジラを滅ぼす発明、ありません。
「初代ゴジラよりも原点に回帰している」というのはこの点です。
一応はラストでゴジラを留めるための発明はありますが、それすら映画の劇中で作られるものであり、「こんな事もあろうかと!」などと用意されていたものではないんです。

怪獣用に用意された世界ではなく、「この」世界に怪獣が現れる。
シン・ゴジラの素晴らしいところ。これが一点目です。

二点目、過去に類を見ないゴジラの凶暴っぷり。
2014年版GODZILLAの逆を行くかの様に、敵怪獣やスーパー兵器のいない人間とゴジラがまさに真正面からぶつかります。
対抗策を自分たちで作るしかない人間に対して、ゴジラの攻撃の容赦のないことったらないのです。
這っているだけ(第2形態)でも十分過ぎるほど被害が出てるってのに、最終形態(第4形態)に至っては口からまずヘドロ状の物体を燃料の様にぶちまけ、そこに放射火炎を吐き出して爆発炎上させ、火炎と交互に吐き出す光線でビルを破壊。
更にはメカゴジラのお株を奪うかのように、背ビレからのオールレンジレーザー光線で空からの攻撃を完全に無力化。何これ詰んだ状態。
最終的には尻尾の先からもビームが出ます。
あとは腹からウルティメイトプラズマを放って、首を回転させてバリアを張るとかすれば全身凶器ですね。
まあ冗談はともかく。
今回のゴジラは全身全霊を込めて日本を襲ってくれます。こんなにうれしい事はない……(それもどうなんだ

三点目。本編と同じくらいの比重を込められている過去作品へのオマージュの数々。
特報でも使われていた初代ゴジラの足音・咆哮はいうに及ばず。

→オマージュとか細かいネタ追記はエントリを分けました

拾いきれていませんが、とりあえずこれぐらい。本当はもっとサブテキストが埋め込まれてると思います。ストーリー追うのと各シーンや曲の元ネタ探すのとで脳みそが二倍疲れました。
また映画館に足を運ぶと思いますので、気づいたら追記します。

しかしこう、褒められない点もないわけではないのでして……たとえば前半の政府不能っぷりは見ていてかなりツラい。ゴジラが本格的に暴れだすまで、「大怪獣東京に現る」風の社会風刺コメディ怪獣映画になるんじゃないかと無駄なハラハラを味わってしまった。
その後の独立愚連隊的な組織ができてから&総理が代理に変わってからの展開との対比とかあるんでしょうが、前半30分がキツいという逆ローランド・エメリッヒ方式かと。
リアルでこんな前代未聞の脅威が現れたら、「こう」なっちゃうんだろうな、と考えるとなんとも言えない気持ちになりますが。

(2回目見たら、分からん事だらけの中でもなんとか頑張っている、という風にも見える……んですが、前半はやっぱりちょっとキツい)

例えば「ガメラ 大怪獣空中決戦」(1995)などでも、怪獣に攻撃するか否か、正当防衛とは、というシーンはあるんだけど、ここまで執拗ではなかったよな、と。画面いっぱいに法律が表示されるシーンは往年のチュンソフトやリーフのノベルゲーかと思いました。

しかし、政治面というか「戦っている」部分以外の人間の描かれ方には疑問があるものの、こんなに怖く、強く、カッコいいゴジラは今まで見たことがない。初代ゴジラを含めても、だ。
2014年のハリウッド版GODZILLA(特にトドメの放射火炎)もカッコ良かったが、これはもう完全に別ベクトルで、あとは好みの話だと思う。
ここまで正面切って人間とゴジラを戦わせてくれたシン・ゴジラには感謝する他無い。庵野秀明も樋口真嗣も、本当にゴジラ撮りたかったんだね。

……あと2回は映画館で見たいな。


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