女子力の高い場所へ行く

女子がやたらと集う場所と言えば、パンケーキの店かユザワヤだと思いますが(偏見)、イベントでもそういうものがあります。宝塚歌劇がその筆頭でしょう。
何と言いますか、女子メインのイベントは男子トイレが空いてて楽なのです。その理由もどうかと思う。

というわけで、「女子力の高い場所へ行く」第1弾。ウィーン少年合唱団のコンサートへ行ってきました。

名前は誰でも知ってるでしょうし、テレビCMで聞き流してたりはするんですが、実際に行く機会というのはなかなかありません。
てか、私もなんとなくチケットぴあとかローソンチケットで「安くて面白そうなコンサートないかなー」と探してたらC席2,000円というのが目に入って衝動買いしてしまった次第でして。
宝塚歌劇や文楽からこっち、随分とベタな文化にばっかり触れてますね。
記事にしてませんが、吹奏楽とかオーケストラのコンサートも結構通ってたりしますし。入場料500円とか安いし、場合によっては無料だったりしますからね(そこか)。

当日、コンサート会場。場違い、というのはああいうことを指すのでしょう。
周囲で一番多いのは、ステージに立つ少年たちと同年代と思われる娘さんとお母さん、という組み合わせ。やはり女性のみの集団が多い。家族連れでもお父さんは来てなかったりとか、男女のカップルすらあんまりいない、という完全アウェイな空間。
せめて、合唱団メンバーで受け攻めのかけ算妄想を繰り広げているような、腐っただめなおねえさんの一人でもいて欲しい。何が「せめて」なのかよく分かりませんが。
物販では合唱団のCDや、コンサートのパンフレットなどを販売しています。
珍しいところでは、募金箱にお金を入れると少年たちの生写真がもらえます、という駄菓子屋のブロマイドくじ引きめいたものがありました。

全席指定の席に移動。周り女子ばっかりだし、そーいう意味では嬉しいなあ、両手に花だなあ、などと考えつつ席を探して着席。隣が男性ソロ客。なんでお前ここにおんねんと脳内でつぶやいておりましたが、向こうもそう考えてた可能性は否定できません。

この日の曲目はAプログラム
目的の曲は2曲目の「オルフ:《カルミナ・ブラーナ》より〈おお、運命の女神よ〉」でした。
ニュースとかドキュメンタリー番組とかでもよく使われてるこの曲ですね。

(余談ですが、伝説巨神イデオン・発動篇のフィナーレ「カンタータ・オルビス」もこの曲に影響を受けて作曲されているそうです)

……だったのですが、むしろ全然知らない歌である「デュモン:《サルヴェ・レジーナ》」などの聖歌・賛美歌の類がすごかった。
多分アレ、破魔の効果ある。私とか、先ほどの腐っただめなおねえさんなど、「フランダースの犬」最終話のネロとパトラッシュのように、そのまま祓われてしまいそうです。いや、そんなおねえさん多分いないし、ネロとパトラッシュは祓われたわけではありませんが。
テレビもゲームもないような時代、教会で賛美歌歌う(聴く)なんて、当時とすれば最高の娯楽だったんだろう、というのが分かる気がします。
一曲一曲が終わっても即拍手、というのではなくて、ほう……と一瞬ため息をつくように余韻に浸って、我に返ってから思い出したように拍手。

何曲か終わったところで司会兼指揮者兼ピアニスト兼担任の教師みたいなおっさん(右下のひと)がご挨拶。
曰く、ウィーン少年合唱団の来日は今年で60周年だそう。長いような、意外と短いような。
ちなみにこのおっさん、カペルマイスター:マノロ・カニンさんですが、実はこのステージにおける主人公です。
いや、主人公は言い過ぎかもしれませんが、曲と曲の間の解説のようなものをしゃべり、指揮をして曲を始め、ピアノを弾き、時にはステージのあちらこちらを跳ね回り……と、合唱団をBGMとして、この方がもっとも目立つポジションを演じているかのように見えるのです。
実際には、ただプログラム通りに歌を歌っているだけでは「レベルの高い小中学校の音楽会」としか思えないようなものを、「エンターテイメント」として飾るための存在なのでしょうね。おっさん、侮りがたし。

この日のプログラムは以下の通り

第1部
<ヨーロッパの教会音楽 など>
デュモン:サルヴェ・レジーナ
オルフ:カルミナ・ブラーナ より おお、運命の女神よ
フェルディナント・シューベルト:レジーナ・チェリ
モーツァルト:ラウダーテ・ドミヌム
メンデルスゾーン:主よ、来たれ
ロイド・ウェッバー:ピエ・イエズ
フォーレ:ラシーヌ賛歌
ヘルベック:しもべらよ、ともに歌え
マリー・シェーファー:ガムラン

<ウィーンの音楽>
ランナー:シェーンブルンの人々
J・シュトラウスII:雷鳴と稲妻

第2部
<オーストリアとドイツの歌>
オーストリア民謡:羊飼いの女
オーストリア・アルプスの民謡:ご機嫌ですね
ウェルナー:野ばら
ブラームス:12の歌とロマンス より 花婿

<日本の歌>
岡野貞一:ふるさと
菅野よう子:花は咲く

<映画音楽とポピュラー音楽>
アーレン:虹の彼方に
ABBA:サンキュー・フォー・ザ・ミュージック
ロジャーズ:サウンド・オブ・ミュージックより ひとりぼっちの羊飼い、エーデルワイス

<ウィーンの音楽>
ヨーゼフ・シュトラウス:水兵のポルカ
J・シュトラウスII:美しく青きドナウ

<アンコール>
滝廉太郎:荒城の月
ファレル・ウィリアムス:ハッピー
シュテファン・シュワルツ:主の道をととのえよ

だいたいコンサートとか行くと、受付だったところ付近にこういうものが貼りだされます。
vienna

途中何曲かバイオリンやチェロなどを使う曲があったんですが、コーラスでかき消されてしまうのがちょっともったいなかったと思います。ボーカル特化でいいんじゃないかなあ。
あ、でもアンコールの「荒城の月」のリコーダーは曲調と合ってて良い感じでした。コーラスとユニゾンにするのではなく、前奏・後奏の部分で吹いてるのが良かったのかも。

最後、合唱団の子たちが360度全方面に手を振りながらステージを後にする中、おっさんがこう言いました。

「60年後、またこの会場でお会いしましょう!」

気の長い話だなおい!
60年後なんて司会は別の人に変わってて、合唱団のメンバーはもちろん変わってて、多分私もいなくなってる可能性は高いんだけど、それでも60年後にオーストリアが平和で、日本も平和で、国同士のつきあいが続いてて、このイベントもずっと続いてたらいいなあ。

とりあえず来年も見に行こう。
……その時はMOTHERの「エイト・メロディーズ」か、ムーンライダーズの「砂丘」を歌ってくれたら嬉しいな(無理です)


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