好きなサントラ盤を10枚挙げてみる(後編)

サントラ話、続きです。

伊福部昭 – 空想科学音楽大進撃~OSTINATO~ (1993)

伊福部昭やゴジラ、東宝特撮映画のサントラは山ほど出てますが、一枚選ぶとしたらこれかな。

選曲が良いのと、全曲が新録というのがありがたい。いくら古い録音をリマスタリングしたところで、現代の録音と同じ音にはなりませんからね。「現代」とは言っても、20年以上前なんですけどね。
確か「ゴジラvsビオランテ」の「攻撃開始!」(ゴジラのテーマ)と「サンダービーム作戦準備」(怪獣大戦争マーチ)も、このサントラのものをそのまま流用していたはずです。
もっとも、マーケットプレイスでプレミア価格になっちゃってるし、今だったらもっと良い録音のものが出ていると思うので、わざわざこれを選んで買う必要はないでしょう。

方向性は違うけど、『これが、伊福部昭だ! 伊福部昭生誕100周年&ゴジラ生誕60周年記念アルバム』(2014)も良いアルバムでした。
こちらはサンプルしか聴いてませんが、『伊福部昭の芸術4 宙-伊福部昭 SF交響ファンタジー』(2014)ならダウンロード販売で買えます。iTunesにもあります

あ、宇宙大戦争マーチに関しては、整ってるOSTINATOバージョンより『ミレニアムゴジラベスト』(2000)バージョンの方が好き。Amazonで試聴可能なので、12.宇宙大戦争を聴いてみてください。
何というか、荒々しいんですよ。音外してる?細けえ事はいいんだよ!的な。

調べてたら、OSTINATOの制作風景の動画がYouTubeに出てきました。ありがたいことです。後で見よう。

ZUNTATA – ダライアスバースト オリジナルサウンドトラック (2010)

タイトーの人気サウンドチーム、ZUNTATA
ダライアスシリーズやレイ三部作を始めとして、「音楽がすげえカッチョ良いゲームメーカー」のひとつだと思います。
……とは言っても私はコナミ・データイースト方面ばっかり聴いてるので、タイトーのサントラはダライアスバースト系しか持ってないのですが。

最初に買ったのは『ダライアスバーストAC オリジナルサウンドトラック』(2011)。ゲーセン版の一番簡単なルートを選んだ時に流れる「組曲光導」や、ゾーンKのボス・ダークヘリオスの第二形態の曲「Sybalion Arrange GOLD」など、アーケード版で追加された曲のみ収録された短めのやつです。
(ステージと曲の対応表はダライアスWiki – ダライアスバーストAC/BGMにあります)

アーケード版にハマって、サウザンドナイブス(たぶん元ネタ→『千のナイフ』(1978))やグレートシングと戦ってる内に、やっぱり「The World of Spirit」とか「Hello 31337」とか聴きたくなるわけです。
その頃、このサントラCDが品薄になってきていて、変な値段がつき始めていたんですが、塩梅良くiTunesAmazon MP3で配信開始、今はCDの値段も落ち着いてるようですね。

勢い余ってリミックス盤である『ワンダーワールド』(2010)とか、書籍の「DARIUS ODYSSEY 公式設定資料集」とか、色々買っちゃいましたね。
持ってないのはPSP本体とダライアスバーストのソフトだけという訳の分からない状態になっています。
試聴はこちらで。

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス オリジナル・サウンドトラック (1998)

監督:ティム・バートン、音楽:ダニー・エルフマンというコンビの映画作品は数多くありますが、エルフマンが主人公ジャックのボーカルパートまで担当しているというのはこれ一本でしょう。
制作・原案のティム・バートンと音楽のダニー・エルフマンが目立ちすぎてて、監督であるヘンリー・セリックがまったく目立っていません。メイキング見ると印象がだいぶ変わります。

この映画を見るまで、ミュージカルには良い印象が無かったのですが(知ってたら見なかったと思う)、ストップモーションアニメの楽しさと、楽曲の素晴らしさ、そしてケレン味に溢れたエルフマンのボーカルで、夢中になって見たのを覚えています。
昨年のコンサートでも彼のボーカルは全く衰えておらず、よりパワーアップした歌声で楽しませてくれました。

ダニー・エルフマンの話を続けると、とりあえずティム・バートンの映画音楽を担当してるもの(マーズ・アタック!、シザーハンズ、チャーリーとチョコレート工場などなどなど)は大体好きです。作品ごとの実に「らしい」音楽、特にストリングスとコーラスでの盛り上げ方がすっげえ良いんですよ。
忘れられた方の猿の惑星こと「Planet of The Apes 猿の惑星」(2001)だって、音楽だけはすごく良かった。

こちらはダニー・エルフマンのスコアをポール・オーケンフォールドという方がリミックスした、エンディングで流れるバージョン。

ティム・バートンとの仕事以外だと、バリー・ソネンフェルド監督のMIBシリーズとか、サム・ライミ監督の(アメイジングじゃない方の)スパイダーマン(1と2だけ)なども担当してますね。
映画音楽を始める前にやってたバンド、オインゴ・ボインゴも良いんですよ。こちらはベストである『ベスト・オ・ボインゴ』(1991)しか聴いてないんですけども。

ナイトメア・ビフォア・クリスマスのサントラは、2006年に『スペシャル・エディション』なんてものが出てますね。こちらは未聴。

GAMADELIC – DELICIOUS SELECTION (1994)

様々な意味で伝説化しているゲームメーカー、データイースト・コーポレーション。略してデコ。
そのデコのサウンドチームがこのゲーマデリック。デコが潰れたことにより、当然サウンドチームも自然消滅したかに思われたのですが、何故か2013年に突然復活!サウンドチームだけ。
潰れてなお伝説が書き換えられるデコ。もう、何が何だか分かりません。

このサントラは、まだデコが潰れる前に出たものです。
当時はサイトロンレーベルから各ゲームごとに安価でサントラが発売されてました。ダークシールIIとかウルフファングとか好きだったなあ。
サントラの中にはゲーム内で使用されている音源だけではなく、バンド演奏でリミックスされたアレンジ楽曲が1,2曲含まれているものもありました。
そのアレンジ楽曲のみをまとめたものが、このサントラ「デリシャス・セレクション」です。
ダークシール・ダークシールIIの葛生千夏さんのボーカルと、サンプリングされたゲーム中ボイスの使い方がステキ。
ウルフファングのキーボードとギターがステキ。
ゲーム中よりも更にコミカルになったスーパーバーガータイムがステキ。

まさに「ジャンルは何でもござれでござる」な1枚。
同じくゲーマデリックの演奏が収められた『RAPA’de LIC』(1992)も合わせて聴くと、より楽しめるかと思います。

この2枚のアルバムには入ってないし、そもそもサントラも出てないのですが、「ザ・グレイト・ラグタイムショー」(1992)が家庭用に移植されなかったのは、「テレビゲーム」という存在にとって大いなる損失だと今でも思っています。
あんなクッソ面白いワクワクするゲームそうそうないですよ。

後のアウトフォクシーズ(ナムコ・1995)や、デッドライジング(カプコン・2006)に通じる何かを感じます。
……アウトフォクシーズも不遇なゲームでしたね、そういえば。こっちはアーバンスクエア大須で現役で遊べますが。

復活したゲーマデリックは2014年に『~ Reunion ~ Live at Vuenos 2013.9.7』を発売。
2015年6月には『GEMADELIC Rebooot!!』を発売予定。
リブート後はまだ未聴なので何も書けない……!

ガ王 勇者王誕生! 10連発!! (2005)

これは果たしてサントラなのだろうか、とも思いますが、まあその。
「ガガガッ!ガガガッ!ガオガイガー!」で始まる熱い歌。それが終わったと思ったら、再び始まる「ガガガッ!ガガガッ!ガオガイガー!」
ガガガに始まりガガガに終わる。
マントラの一種か何かなんでしょうかこれは。

ボーカル版は言うまでもないんですが、次回予告で使われていたインストのオーケストラ版がすごく良い。

次回予告の曲を聴くと小林清志さんの声が聴きたくなってきます。
このアルバムには、小林清志さんによる歌唱指導入りバージョンも収録されてますのでご安心を。途中から脱線してエラいことになってますが。

小林清志さんといえば次元大介とガオガイガーですが、XBOX360のゲーム「ライオットアクト」(2007)の日本語版の上司役で、はじめっから最後まで喋りっぱなしなのが素晴らしかった(このゲーム、主人公喋んないです)

このステキボイスで命令されたら何でも従っちゃうよね、そりゃ。日本語ローカライズの担当者にお礼を言いたい。

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