「ベイマックス」が面白かった

最近、風邪ひいて、数日ほど寝ておりました。風邪ひいた日の朝起きて思ったこと。
ベイマックスが、欲しい」
ギリギリまで頑張っても踏ん張ってもいないわけだけど、一人暮らしで病気のとき、ケアロボットが欲ーしいー。
♪ウルトラマンガーイアーと繋がってしまいそうな感じのアレです。

……って、意識してなかったんだけど、こないだ記事で触れた「仮面ライダークウガ」のOPも田中昌之氏の歌唱だし、その後作った勇者部MAD「結城友奈はYouはShock!である(宣伝重点)のサビのハイトーンボイスは田中昌之氏だし、何かとつながるなあ。

以下、ネタバレしてるところは注意入れてるつもりですが、映画本編観てから読んだ方が良いかも。

「ベイマックス」で最初に感じたのは「パシフィック・リム」や「ロボコン」っぽさ。戦うロボット、という要素はやはり燃える。
敵ロボは武器もなんとなくクリムゾン・タイフーンを思わせる。

次に感じたのは、新しい発明品を紹介される、という楽しさ。主人公の兄の通う大学では、個性派ぞろいのメンバーが思い思いの研究をしている。
その様は、古くはバスター・キートンの映画

近年でいえばMaker faireのような雰囲気。

もちろんアニメ映画である本作の発明品は現実には存在しなんですが、未だ存在しない架空の発明品は動くのを見ているだけで楽しいし、ここから現実化していくものもあるかもしれない。
(例えば「SF映画で学ぶインタフェースデザイン」という本では、映画から現実化した例として、映画「X-MEN」の3Dテーブル型ディスプレイを挙げている)

現実離れしたSFアニメ映画でありながらも、現実と地続きなものづくりの楽しさが伝わってくる。

個性豊かなキャラも素晴らしい。
「姐さん」「姐御」と呼びたくなるようなきっぷのいい性格のゴーゴー。自作の未来派チャリに乗って登場するわ、外したホイールをキャプテンアメリカ的に武器にするわ、カッチョ良いことこの上ないです。
お洒落な身なりでフェミニンな魅力を撒き散らしつつ、かつ、化学オタクなハニーレモン。武器もハンドバッグの中から取り出すカラフルな球というかわいさ。そしてメガネにヘアバンド(大事)
カーチェイスの最中まで信号を守る、生真面目で融通の効かない、でも研究は一番破壊的なワサビ。
変人としか言いようのないフレッド。でも、炎を吐く怪獣にはなってみたいよなあやっぱ。分かるぞ。
…というか、この映画作った人(原作からかもだが)、ロックマン好きだろ。攻撃方法がめちゃくちゃそれっぽいぞ。

この4人に主人公のヒロとベイマックスを加えた6人が、原作コミック・映画の原題である「BIG HERO 6」というチームを組むことになります。
日本でいえば「ゴワッパー5ゴーダム」みたいなものでしょうか。

サブキャラも良い。
イチオシは執事のヒースクリフ。バットマンにおけるアルフレッドのような立ち位置。執事かくあるべし。

アクションシーンには文句の付け所がない。あるとしたら、3D版上映中に映画館に行かなかった自分の馬鹿さ加減。
「空を自由に飛びたいな」をそのまんま実現させたらこうなりました感にあふれています。3Dで見たかった……
ベイマックスの使うスキャナーや、PC上でのワイヤーフレームの設計図など、レトロフューチャー要素もたまらない。

国内版予告編では「優しさで世界を救えるか?」というコピーがポスターを飾っていたりして、「家族を失った可哀想な子供をロボットが癒す」みたいな要素を強めに宣伝しているようなんだけど、どちらかというと発明やらアクションの要素が強めだと思う。
どちらを目的で見に行っても楽しめる映画ではあります。

……でアクションもいいんですが、そのベイマックスのロボットならではの「不器用な優しさ」みたいなものが、ロボット萌えであるところの私としてはすげえイイんですよ。
ヒロが痛がる度に「痛さを10段階で表すといくつですか?」って質問をするんだけど、立て続けに痛い目にあった時には「痛さを10段か…痛さを10だ…10だんか…10段階」などと繰り返し、針の飛んだレコードかお前はという程度にはポンコツです。ああそのポンコツぷりっすら愛おしい。
パンフレットの監督インタビューによると、カーネギーメロン大学のソフトロボット工学の研究室での実際の研究を元にしてベイマックスのデザインを考ていった、ということなので、この方向性のロボットが実現してもおかしくはないよな。

さて、以下はちょっと気になった点。
ネタバレを含むのでアフィリエイトなどでスペースを入れますか。

監督いわく「日本のスーパーヒーロー・チームを描いた無名のマーベル作品」である原作は、MARVELオフィシャルの電子書籍アプリを入れるのが簡単そうです。もちろん未翻訳なので注意。
iOS / Android
参考:日本で一番手軽に「Big Hero 6」を読む方法は | dpost.jp

サウンドトラックはAmazon MP3だと2,000円を切ります。

エピソード0のコミックはKindle版が無料公開中。

ロボつながりで「アイアン・ジャイアント」もおすすめしておこう。BD出てないのなこれ。

ラストで兄の作ったベイマックスはポータルの狭間で行方不明になり、主人公が2号機を作って、それで良しとしている点(仕方ないっちゃ仕方ないんですが)
ロボットは同じように作ったら、まったく同じものを作れると思われがちだが、たとえ作られた段階では同じものでも、成長過程(学習と言っても良い)で絶対に違うものになるはずなのだ。

人間の双子を想像してもらえれば分かりやすい。
持って生まれた身体は同じものだが、10年、20年と経験を重ねた後の姿は別人になる。

ベイマックスは少なくとも最初は兄に育てられている。ヒロが作った2号機はやはり1号機を参考に作った別人でしかない。
だとすれば、オリジナルであるベイマックス1号機はどうなってしまうのだろう。
まったく同じ性能の2号機が出来たのだから、それでいいじゃん、という気持ちには私はどうしてもなれない。
それは新しく作られた別のロボットであって、オリジナルのベイマックスではないのだ。
ヒロが新しく作ること自体に意味がある、といえばまあ、そうなんだけども。むーん。

もう一点。
同時上映の「愛犬とごちそう」なんだけど、人間の食事、しかもジャンクフードをペットに食わせるのはあんまり良いことじゃないよ。
いや、アニメにマジレスするのも野暮だとは思いますが。ファンタジーではなくリアル寄りのストーリーだったので余計にね。
特に長ネギ・玉ねぎ・にんにくなどは良くない(らしい)。私もペット飼ったことはないし、よく知らないのでアレですが。

コメントを残す